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高尾山そぞろのぼり、開催レポート ~as it is~

人は、なぜ山に登るのか?

そう、そこに山があるからだ。

では、なぜ人は高尾山に登るのか? 

それは、三連休の真ん中だし、天気もいいし、連休中に一日くらいはどこかに出かけないとまずい、人としてまずい、どこか安くて近くて美味くて早い場所はないか、できればたまには自然と戯れたいなあ、昨今は登山ブームでもあるし、山にでも行ってみるか、どこがいいかな、そうだ高尾山なら昔、登ったこともあるし、たいしてきつくもなかったはずだし、いつのまにかミシュランで三つ星をもらっていたくらいで評判もいいみたいだし、京王線なら高尾山口まで新宿から380円でいけるし、久し振りにひと登りしてみるか、できれば紅葉の時期がいいけど、その頃は込むだろうし、思い立ったら吉日、ちょっと行って来るか、と思い立ったからである(と、私は思った)。

ともかくそこに高尾山があった。そして私たちは高尾山に登った。そのことに、理由なんてなかった。理由なんていらなかった。As it is――。そこに高尾山があったから、私たちは登ったのだ。アズ・イット・イズなのだ。

8名の勇者が、午後1時に京王線「高尾山口」駅に集合した。驚いた。想像を絶する人だ。電車が到着する度に、勢いよく打ち寄せる人の波。あまりの人の多さにとまどう参加者に、私は「いやあ、混んでいるのはここだけで、さすがに山に登ればばらけくるはずですよ」と、知ったような口を利いていたのだが、実際、歩き始めてからもいっこうに人の波は収まらず、むしろ登頂に近づくにつれて人口密度が高まっていったのだった。

いくらか混雑することは想像していたが、夏の海辺ならいざしらず、黒山の人だかり状態が山のなかに存在することは思ってもみなかった。間違えて「高尾山」ではなく、「黒山」に来てしまったのかと思った。おそらく、激混みのこの日の高尾山を訪れた人の99.9%が、「なんでこんなに人が多いねん」と呟いていたはずである。

でもしょうがない。私たちも、この黒山の原因でもあるのだ。アズ・イット・イズ。すべてを、現実を、受け入れようじゃないか。それが大人じゃないか。そもそも、こんなに混雑している高尾山を散策コースに選んだのは私じゃないか。責められるべくは私なのだ。しかし心優しい参加者の方々は、私を責める素振りなどみじんもみせず、ひたすらに修行僧の様な神妙な面持ちで山道を登り続けていたのだった。

やはり山のなかは気持ちがいい。登山口から10分も歩いた地点で、ヒンヤリと冷たい、森の濃い空気を感じた。意外だったのは、山の空気は登れば登るほど濃くなるというものではなく、むしろ山頂近くでは薄くなるような気がしたことだ。近くに水があるかどうか、樹木の種類や密集度なども関係しているようだ。

それにしても、ぎょっとするほど人が多い。普通登山では、山に登れば登るほど下界の俗的な世界から離れていき、下山するに従い、再びいつもの人間界に戻るという気分を味わえるものだが、今日ばかりは、登れば登るほどに俗濃度は高まっていったのである。だがそれでもいいじゃないか。つい半年前まではどこかに出かける気にもならなかったのに、これだけの人出があるのは、みんなが元気になってきたということだ。だれでも気軽に登れる山という定評のある高尾山だが、その道のりは決して楽なものではない。それでもこれだけの人たちが山に登ろうとするのは、やっぱりみんな元気なのだと思う。いいことではないか。

海外では、登頂を目指す登山よりも山腹を歩くトレイルの方が一般的だと聞いたことがある。登頂を目指して坂を登り続けるのは、日本人のメンタリティーに合っているのかもしれない。「もし頂上に到達するという目標がなければ、こんな風に山道を二時間も登り続けられませんよね」と、美しすぎる編集者Sさんと話した。ただし外国人も多い。ミシュランの三つ星というのは、ガイドブックを頼りに日本を観光する外国人にとって、相当の効果があるようだ(しかし正直なところ、その星三つのうちの二つくらいは、都心から近いという点にあるのではないかと思われ、ということは、高尾山口に到着した時点で、星は一つしか残っていないのであった。決して高尾山をけなしているのではない。都心から近いというのは、ものすご~く大きなメリットなのである)。

2時間近く歩いて、頂上に到達。登りはきつかったが、途中で平坦な道があって一息つけるのがいいところ。これも高尾山の人気の秘密かもしれない。頂上も人が多く、売店にも長蛇の列。アイスクリームを楽しみにしていたメンバーもあえなく断念。私もお団子か何かを買おうと思っていたのだが、早々に諦めた。しかしお菓子を持参してくださったメンバーの方がたくさんいて、それをいただいてエネルギーを補給した。チョコレートやラスク、どれもものすごく美味しかった。甘さが口のなかで広がり、人の情けが身にしみた。

下りは楽だけど、脚への負担は意外と大きい。山登りでは、踏ん張るときに脚に力を入れるのが、筋肉通の主な原因になるらしい。ケーブルカーに乗ろうかとも思ったが、ケーブルよりも長いと思われるほどの長蛇の列だったので、歩いて下った方が早いね、と判断して、無事に下山した。当然ながら、下りの方がスピードは速い。

行きも帰りも一号路。到着はおそらく5時頃(正確には覚えていない)。往復にして約4時間の行程だった。人は多かったが、二進も三進もいかなくなるほどではなかった。しかしおそらく紅葉の時期は、越えてはならない一線を越えるのだろう。山麓から頂上までが一つの長蛇の列になるはずだ。私は一つ、人生の大きな教訓を得た。「高尾山に登るときは、時期を慎重に選ぶこと」

麓にある、昭和チックな昔ながらのお蕎麦屋さんで早めの夕食。歩いた後の食事は実に美味い。お腹がペコペコだ。普段から早食いの私は、さらにいつもの倍の速さで天ぷら蕎麦を胃袋に放り込んだ!(高田延彦風)。

その後、参加者Kさんの提案で、吉祥寺に繰り出すことに。Iさん以外の7人で、高尾で中央線に乗り換え、公園口で降りていくつか店を探したが、どこも満席だった。どうやら、混んでいたのは高尾山だけではなかったらしい。この日はどこも人出が多かったのだろう。

Kさんが見つけたベトナム料理屋さんに飛び込んでみると、テーブルは分かれるけども、席は用意できるとのことだった。「ミス・サイゴン」という店名のその店は、店員の方の対応も非常に気持ち良く、料理も実に旨かった。注文を取る前に他の席が空き、私たちはそこに案内してもらえた。7人だったので1つ席が足りず、私がお誕生日席になったが、そんなことはどうでもよかった。アズ・イット・イズ。高尾山に登った日の夕食が、こんなに美味しいベトナム料理になるなんて、想像していなかった。そして、夕食を二回も食べることになるとも想像していなかった。だが既成概念にとらわれず、心を開いて、なすがままに行動したことで、よいお店に巡り会えたのだ。参加者のみなさんの日頃の行いがいいからに違いない。考えてみれば、ベトナムの文化そのものが、あるがままを受け入れる、人びとの強い精神性に支えられたもののようにも思えた。これも何かの縁なのだろう(コジマだけに、こじつけが強引なのである)。明日は筋肉痛になるだろが、それもまたアズ・イット・イズ。そう、明日・イット(筋肉痛)・イズ――筋肉痛は明日来る、なのだ。

ベトナム酒のルアモイやワインを飲みながら、気がつくと9時。たっぷり歩いて食べた、充実の一日だった。ありがとう高尾山、ありがとうミス・サイゴン!

参加くださった皆様、本当にありがとうございました。翻訳について、人生について、いろいろとお話ができてとても刺激になりました。来月6日、よろしければ鎌倉でお会いしましょう。

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